ニート王でもやることがない時は良くある

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ニート王サトル
オレはニート王サトル、ニートの王をしている(自称)。

これは今後絶対に何があっても働かないという宣言でもある。

そんなニートの王でも、日々の変わらぬ生活でやることがないという事は良くある。

マンガ、アニメ、ゲーム等の媒体は製作者がユーザーを楽しませようと考えて作られている物であるから、たしかに一定以上の楽しさを提供してくれる。

しかし、いくらなんでもそればかりやっているとどうしても飽きてくるのだ。

たしかに内容はそれぞれ違うが、実際やっている行動は読むとか、見るとか、ゲームの場合でも結局画面を見ながら手先をただ動かすだけだ。

そうなると当然飽きてくるし、さすがにニート王のオレでもやることがないという状態に陥ってしまう。

「これはいけない……、このままでは快適なニート生活が苦痛な日々になってしまう」

もちろんこの時のオレは、暇でやることがないから”働こう”などという思考には一切ならない。

「ニート生活で大事な事は、飽きないほどの娯楽を考え出し、色々気分によってやり変えるのがベスト」

世間一般的に行われている娯楽から、ネットユーザーしかやらないような娯楽、そしてオレだけが楽しめる物を見つける事が大事。

しかし、ニートである以上は金をあまり使う娯楽は難しいからそこは考えなければいけない。

「まず、思いつく限りの娯楽をメモ張にでも書き出してみよう」

ざっと書き出したのは20種類ぐらいの娯楽だった。

「ふむ、あとは思いついたり、暇な時に娯楽を調べたりしてこの”娯楽メモ”の内容を増やしていこうか」

よし、疲れたな寝よう。

この時のオレの行動時間は20分だった。

ニートは基本的に1日1ターン制、だいたい何かを変えようとか身のある行動はこのぐらいの時間しか気力が持たないのだ。

「ふぁー……、さーて良く寝たな10時間は寝たか、睡眠は時間つぶしに最適だな」

ニートにおいてやることがないなら寝るのが最強。

なにより横になるだけで完結するので非常に楽だし、毛布さんはオレを暖かく身を包んで気持ち良くしてくれる。

「毛布さん……オレはキミの様な女性と出会いたかったよ」

バンッ!

そんな音と共に唐突にオレの部屋のドアが開いた。

J( ‘ー`)し「コラサトル! アンタ寝てないでいい加減に働きなさい!」

カーチャンの襲来だった。

どんなにニートでやることがない人でも無職である以上は、カーチャンの襲来を避ける事は難しい。

「カーチャン……、いつも言っている事だけどオレは”働かない”んじゃなくて”働けない”んだよ」

J( ‘ー`)し「何が働けないよ! さっさとハローワークにでもいって探しにいけばいいでしょ!」

「オレは普通の人間と違うんだよ、ニートの王なんだ。ニートの王はニートの指導者だから働く訳にはいかないんだ」

J( ‘ー`)し「何がニート王よ! ただのグータラ王じゃない!ったくもう……カーチャンこれからパートいくから自宅警備頼んだわよ!」

バンッ!

そんないつものやり取りが行われ、カーチャンから解放された。

「……ふむ、いつもの日常だな、さて自宅警備をしながらニート王の活動でもするか」

オレはパソコンとWEBカメラのセッティングを行い、生配信を始めた。

ちなみにニート王とは、ネット上に多数いるニートの指導者的立場であるという事でもある。

「やぁみんな、今日も元気にニートしてるかな?」

「さっきまたカーチャンに働けっていわれたがオレは絶対に働かないぜ! なんてったってニートは最高だからな!」

という感じでダラダラと会話を2時間ぐらいして放送を終えた。

昨日はニート生活でやることがないと言っていたが、なんだかんだで次の日になればまたマンガもアニメも見るし、飯も食う。

なのでやることがないというのは、大抵ちょっと空いた時間に暇と感じるだけである事も多い。

だましだまし時間を潰していけばあっという間に一日なんて終わるもんさ。

そんなこんなでいつもの様に時間を無駄に過ごしていると中学2年生の我が妹、「アヤカ」が帰って来た。

ニート やることがない
アヤカ「ただいまーって……カーチャンは今日パートか、家に居るのはゴミだけか」

ニートをやっていると兄弟からの扱いも酷くなる、とくに妹の場合はさらに露骨かもしれない。

「誰がゴミだ、我が妹アヤカの偉大なる兄、ニート王サトル様であるぞ」

アヤカ「ハイハイニート乙」

「……」

だいたい妹との会話はこんなもんで、基本的に会話をあまりしない。

食事も別に食べるし、オレがリビングに居る事もほとんど無いのでほぼ関わる事は無い。

「さてと、暇だから小説でも書くか」

オレはたまに暇になると小説を書いたりする。

他にもイラストとかマンガとかも描くが、今日は小説の気分だ。

創作活動はほとんど金が掛からないので、ニート生活ではある意味最強だったりする。

没頭すれば何時間も書く事が出来るので、やる事がない時は創作するというのもアリだ。

ちなみにやる気があるニートであれば賞に投稿したりしてプロを目指す人もいるだろうが、オレは別にプロになりたいわけじゃないので適当に空いた時間にやっているだけだ。

ただし自分だけで書いて簡潔させるよりも誰かに見てもらって反応を貰えた方が面白いので、ネットの小説投稿サイトに投稿していたりはする。

「今度はニートが壮大なる冒険に出かけて無双し、たくさんの美少女ヒロイン達とハーレムを形成するラノベを書くか」

「ってそこらへんに良くあるテンプレじゃねーか! ダメだこんなあり来たりな話」

とも思ったが、結局こういう系の小説はとんでもないご都合主義でストーリーが進み、たいした努力もせず敵をやっつけて美少女とイチャイチャするものか。

たまに推理物とかホラー物とか、純愛物とかあるが、特に頭が良いわけでもないしまどろっこしい恋愛ストーリーもめんどくさいので書く気がないしな。

「ここは素直に美少女とイチャイチャするだけのラブコメを書こう」

オレは脳内妄想をフルに働かせてニヤニヤしながら、主人公と美少女達がおもしろおかしく日々を過ごすラノベを書き始めた。

妄想している時のオレの脳内は幸福に満ち溢れている。

どんなストーリーもオレの脳みそで作り出せるし、まるで神にでもなったかの如く神展開を展開できる。

これで年齢=彼女いない歴のオレでも女に困る事はなくなる。

文句もいわず愛と優しさに満ち溢れた現実には存在しえない理想の美少女と戯れる事が出来るのだ。

「ふぅ、今日も最高だったな」

なんだかんだで3時間ぐらいは小説を書いた。

割と良い暇つぶしになる。

「今度はゲームでもすっかな」

ニートといえばゲームというほど、ニートにとってゲームは大事である。

今オレがやっているのはゲーム内の自由度がすごいアクション系の物だ。

まるでゲームの中にリアル人生があるかの様に大抵の事はする事が出来る。

ちなみに今オレはゲーム内で釣りをして今までの最高記録を更新させようとしている。

こういうゲームにありがちなサブ的遊び方だが、なにげに作りが凝っているためストーリーそっちのけでやってしまったりする。

ストーリーを全てクリアしても楽しめる事が出来るので、1本あると捗るかもしれない。

「うーん、今日も最高記録更新できなかったか……また明日だな」

と気付くと時間は深夜2時ぐらいになっていた。

「さてとそろそろ夜飯を食うか」

皆が寝静まっている時間帯なので、足音をさせない様に2階から降りて1回のキッチンに移動する。

冷蔵庫を開けて皆が食べた余りであるオカズを皿に入れ、その同じ皿にご飯を乗せて完成だ。

ちなみに以前カーチャンに見つかりゴキブリの様だと言われたがオレはまったく気にしない。

さてと部屋で動画でも見ながら飯を食うか。

特に見たい動画がある訳ではないが、新着動画を見ながら飯を食うのがオレの日課である。

「ふぅ、今日も飯が美味かった、そろそろ寝るかー」

とオレは床についた。

こんな感じでなんの生産性も無い、ただゲームしたりアニメみたりマンガ読んだり飯を食って寝る様なダメ生活ではあるが、働くよりは百倍マシだと思っているのでそこそこ満足している。

そしてこの生活がオレの人生の終わりまで続くのだ。

というと悲観的に聞こえるが、普通の人の人生は労働やその他色々な問題に苦しんで大事な時間を過ごしているので、そんな一般人よりははるかにマシな生活を過ごしている。

それがニートだ。

ー次の日ー

「う、うーん……オレ氏起床!」

と独り言を言って起きたオレのニート生活は今日も始まる。

特にやることがないがダラダラと娯楽を楽しみ、飯を食って寝るのだ。

「今日は水曜日か……、トーチャンとカーチャンは仕事だし、アヤカは学校か」

今日も自宅警備をして一日を過ごしてもいいが、たまには散歩でもするか。

オレはニートであるが引きこもりではないため外には普通にでる。

また、服を買いに行く服が無いという事も無く、普通に外出用の服は数着保有している。

家の戸締りを終えたオレはとりあえず近所の公園に足を向けた。

「うーん……相変わらず誰もいねーなこの公園、つーか平日の午前中にいねーか」

この公園は特に遊ぶような器具が無く、パンダとウマの乗り物というか置物というかイスというかの様な物ぐらいしかない。

後は砂場と水が出せる蛇口がある程度だ。

他にはベンチもあるがホームレス防止用に横になれないようになっている。

また、公園の周りは木とか花が植えられた花壇の様な物で囲まれている。

「しっかしオレが産まれてから今まであんま変わんねーなこの公園」

とりあえずオレはパンダの乗り物にまたがり座る。

ちなみに子供用の乗り物なので大人が座ると不信感しかなく、周りから見ると完全に不審者に見える。

「うーん……公園に来てみたものの暇でやることがないな」

一瞬帰ろうとも思ったが、砂場で定番の城でも作るかと土イジリをオレは始めた。

何か砂で作る場合は水を含ませる事が大事なので、上手く分量を調整しながらオレは城を作っていく。

といっても集中力も根気もやる気もなにも無いので、すっごい適当な城が完成する事は間違いない。

「意外とハマると面白そうだが、真剣に作っても壊れるのが確定しているのでやる気ねーな」

なんだかんだで土イジりで1時間作って城を完成させたが、案の定ショボイ物が出来た。

「完全にムダな時間だったな、帰るか」

と思ったがオレは閃いてしまった。

「小学生か中学生への嫌がらせになんか卑●な物でも作っていこう」

発想が完全にガキだが、なんだかんだで作ってしまった。

学校が終わり帰宅する学生達がどういう反応をするか影から観察していってもいいが、まだ時間が2時間以上もある。

「うーん、さすがにそれまで待てねーし、待ったとしても隠れて見ててなんか問題になったらヤベーな、放置して帰るわ」

という感じに普通に家に帰る事にした。

オレが製作した作品を見る小中学生の反応を妄想しながら、家に着いたオレは自室に入りベッドに横になる。

「……暇だなぁ…」

地元の友達はもう皆仕事に就いて働いているため、こんな平日に遊べる様な知り合いは居ない。

というか自身がニートという劣等感からあまり友達と遊ぶことも無い。

オレはベッドに仰向けになり天井を見る。

「オレの人生これでいいのかなぁ……」

働くとか社会貢献とかそういうのは置いといて、何か成し遂げたいという物はないのだろうか。

自問自答してみるがまったく思いつかない。

「つーか基本的になにかをやるのがめんどくせぇ、人生の目標とか成し遂げたい物とかねぇわ」

たしかにそういう物があった方が人生捗るだろうし、ニートだからやることがないという事はなくなると思う。

しかしいくら考えた所で夢とか人生においてやりたい事というのは思いつかない。

いままでのニート生活で、幾度となく繰り返してきた自問自答だが、オレは結局何もやりたくないのだ。

無い物をいくら考えた所で答えは”無い”のだ。

このまま特にやることも無く、ゲーム、アニメ、マンガ、食う寝る45るを繰り返す。

「それがニート王サトルの人生か……」

少し感慨深くはなったが、労働を1日8~12時間を週に5~6日している一般人から比べるとなんとも良い生活かという思考に結局行き着いてしまう。

「やべぇな……やっぱニートって最高じゃん、すげぇやることが無くて暇だけど」

かのドイツの哲学者、アルトゥル・ショーペンハウアーは、“人生は苦痛と退屈のあいだを振り子のように揺れ動く”と説いている。

また、下層階級の人々は苦痛と闘い、金持ちは退屈と闘っているらしい。

それに当てはめるなら暇を持て余しているニートは金持ちなのか?

いやそれはおかしい、オレは金が無いニートだ。

しかもカーチャンに毎日のように働けといわれて苦痛だ。

まぁ、”苦痛と退屈の振り子”というのは同意出来るがそれもニートに限っての話じゃないし。

「うーん、ニートも良いと思うが、週3~4日ぐらい働いてるフリーターが金もあって一番幸せだったりするのかもしれない」

まぁオレはバイトすらやる気はないがな。

いくらやることがないとか金が無いとかいっても労働は恐ろしい。

そして人間関係も怖い。

働きたくない。

めんどくさい。

「……どう考えてもニートのままでいいな、うん」

定年退職したおっさんが働かなくていいならオレも働かなくていいよな。

それにオレを産んだのは両親だ。

オレを養うのは当たり前だ。

20才を超えても養う義務は当然あるのだ。

将来? 親がいなくなったら? そんなの関係ねぇ!

「オレはニート王サトルだ、絶対に何があっても働かない者」

働く才能は無いがニートの才能はもっているはずだ。

そもそもオレが働いたら本当に労働をしないと生きていけない人の仕事を取ってしまう事になる。

つまりオレは働かない方が世界のためなのだ。

「それに人生なんて暇つぶしだろ」

でも……でもな。

「もうやる事がないんだよ……」

「毎日毎日、ゲーム、アニメ、マンガ? いい加減飽きたんだよ! 動画だってそうだ! そんなもん見て何になるんだよクソつまらねぇ!」

……。

もうオレは寝る。

明日まで寝る。

そう、寝ればまた明日が来る。

明日がくれば気分も変わる。

その時になればなんだかんだでやりたい事も出てくる。

まぁそれは結局、ゲーム、アニメ、マンガとかなんだろうがな。

もうそれでいいよ……。

それでいい。

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ネコハルンのセミリタイア生活