やらないことを決めると人生はクリアになり生きやすくなります。
これはやらないというルールがあると迷う事無く決断する事が可能になります。
今回は「Think clearly」という書籍の内容を踏まえて解説していきます。
簡単に頼み事に応じない
人間は出来るかどうか分からない物や、やりたくない事の安請け合いをして後々困る事があります。
その理由は人間には他者から好かれたいと思う性質があるからです。
人間は集団で生きる生き物なので、ある程度の友好関係を築いていないと群れの中で生きられなくなります。
なので、自己を守るためにも安請け合いをしてしまうという事です。
囚人のジレンマをプログラム同士でやらせた結果
囚人のジレンマとは、例えば仲間2人を事情聴取する際に以下の様なルールを提示します。
・真実を話した方は懲役を0年にするが相方には懲役10年を処す
・お互いが真実を話したら両方とも懲役5年に処す
・お互いが真実を話さなければ両方とも懲役2年に処す
この場合囚人側にとっては、お互いの事を考えるのであればお互いが真実を話さない事が最も良いです。
しかし相方が真実を言ってしまうのではないか、そうすると自分は懲役10年で相方は無罪放免となる。
という葛藤が囚人のジレンマとなります。
この囚人のジレンマを様々なプログラムで実験した結果、しっぺ返し戦略が一番良い結果を出しました。
しっぺ返し戦略とは
最初は協調するがもし裏切られたら次は裏切る、裏切られなかったら裏切らないというGive&Takeの戦略が最も良い結果を残しました。
つまりこれは人間の思考に良く似ています。
人類は長い歴史を経て最善の思考をするように進化してきたのではないか、だからこそ他人の行為に断りにくいのではないかというお話です。
頼み事を断るかどうかは5秒ルールで決める
5秒ルールとは5秒以内にやりたいと思った事は受けるが、それ以上悩んだ物に関しては断るというルールです。
実際に引き受けたものの意外と感謝されない事もあるので、やりたくないのなら断った方が良いという事でしょう。
ちなみに、投資家で有名なウォーレン・バフェットは価格交渉になった時は価格交渉に応じないというやらない事を決めているそうです。
このルールが広まる事によって「ウォーレン・バフェットには最初から最良の価格を出さないといけない」という思いが発生しウォーレン・バフェットは損をせずに得をするという事です。
能力の輪を超える自分の能力以外の事は断る
自分が専門ではない事、出来るかどうか分からない事は断るというルールです。
これには自分がどこまでなら出来るのかという事の把握が必要となりますが、専門じゃない事や出来るかどうか分からない事をやっても失敗する可能性が高いです。
だったら最初から断るというルールを決めておくと迷わずに断る事が出来ます。
尊厳の輪を超える物は断る
やれるけどやりたくない事は断るというやらない事を決めるルールです。
金額が大きくても嫌なら断る方が良く、罪悪感を何も感じなくて良いとの事です。
本音をさらけ出さないというアウトプットの取捨選択
自分の感情における本音とはあまり充てにならず、絶対に許さないと思った相手でも良い一面を見ると意外と良いヤツじゃないかと思う事もあります。
また他にも日記をつけると1か月前の自分と今の自分の考えている事は変わっていたりするので、その時の本音をさらす事が必ずしも正解とは限らないのです。
なのでわざわざ本音を話さなくて良いというルールを決める訳です。
わからない事はわからないと答えるルール
詳しくない事や興味のないことを意見しないというやらない事を決める事が大切です。
基本的に詳しくない事については、良いと悪いや好きや嫌いでしか物を言う事が出来ません。
その内容について知らない訳ですから、何か言おうと思っても本質を理解する事が出来ないため何か言っても良い事はありません。
なので、「分からない物は分からない」と言いましょう。
沈黙や無意味は知性を表し何も恥じるべき事ではありません。
情報収集しすぎないというインプットの取捨選択
ニュースや読み物の90%はどうでも良いゴミだそうです。
実際に芸能人の恋愛話や、事件や事故というのはアナタの人生には何の意味もありません。
それを知っていたからといって何かのタメになる事はありません。
なので、ツイッター等のSNSからも無駄な情報を収集しても時間の無駄です。
信頼できる相手とだけ付き合う
人間関係は知り合いが多ければ多い程良いという物ではありません。
無駄な相手と付き合う必要性は無く、信頼できる特定の人物とだけ付き合うようにしましょう。
なので、年に1度付き合いをやめる人の名前を書いて投げ捨てると良いでしょう。
良い本を繰り返し読む
本というのは一度読んでも全て理解する事は難しいです。
また、忘れてしまう事も多いため良い本を何度も読む事は良い事です。
大きすぎる夢を持つ事をやめろ
「オレが世界を変えてやる」といった夢を持っても「お前に世界は変えられない!」と言っています。
また、偉人達も世界を変えたわけじゃなく、たまたま先にその分野で有名になったり何か発見しただけで他の誰かがやり遂げていたはずです。
例えばスティーブ・ジョブズがいなくても他の誰かがiphoneの様なスマートフォンを作り出していたはずです。
変えられるのは自分の人生だけ
人生は勝つことよりも負けない事が大切です。
何かを手に入れるより何を避けるか、人間は良い事に対しては慣れるが悪い事に対しては慣れない様になっているので、負ける様な事からは避けるというやらない事を決める事が重要です。
また、たいがいのボランティアはそんなに意味なく、誰かを助けた所で全ての人を助けられる訳ではありません。
あなたがボランティアするよりお金を出してプロにやってもらった方がタメになります。
そもそも自分の人生で手いっぱいの人の方が多く、ボランティアすらする必要はないと言っています。
まとめ
・自分のできる事、やりたい事を理解
・それ以外には一切干渉しない
・自分の内面や人生に集中
ネコハルンの感想
実際に生きる上で「出来ない事はやらない」というのであればその道のプロに頼む必要がありますし、「やりたくない事はやらない」というのも誰かの力を頼る事になります。
効率や結果を考えるならその方が良いと思いますが、仕事上で全てを避ける事は出来ませんし、ましてや「信頼できる相手とだけ付き合う」というのはかなり難しいでしょう。
また、「分からない事は分からないと言う」のは良いのですが、分からないなりに何か答えを出さないといけない場面も来るはずです。
なので、この書籍は理想論を書いているのであり、実際にやるとなるとかなり妥協しないといけないのではないかと思いました。
しかし賛同はしますので、この他にもやらない事を決める「思考のミニマリスト化」となるルールを事前に作っておくことは大切だと思いました。